_000「ふくすけ」@渋谷・コクーンシアター

おもしろい脚本の悲劇というのは、再演を重ね、初演のゴツゴツした荒削りだけど、何物にも代えがたい勢いみたいなものが減ってしまうことなんだろうな。*1「ふくすけ」は再演しか見てなくて、しかも詳細は忘れてたけど、ボコボコと噴火しそうなマグマみたいな勢いがあったのだけは、肌感で覚えている。別にチケ難だから言うわけじゃないけど、松尾スズキさんの脚本が持つ独特の湿度が苦手かもしれない。
芝居は、古田新太さんが八の字眉で気弱っぽい役をしているのを見られたのが収穫。役者である以上、古田新太である以上、そんなの出来て当たり前なんだけど、あの古田さんに、こういう役を持ってくるセンスはいい。

*1:「こどもの一生」がそうじゃないかと思う。あのシアタートップスの感じは二度と体験できない。